高徳地図のAMAP-CVラボが、移動ロボットの操作(移動+アーム操作)に特化した「世界-行動モデル(World-Action Model)」であるABot-M0.5を発表しました。技術的には次の3つの課題への対策を掲げています。
ベンチマーク結果として、移動操作タスク「RoboCasa365」で成功率40.4%(比較対象のGR00T-N1.5は23.9%)、精密操作タスク「RoboTwin 2.0」で94.1%、「LIBERO」で99.4%を記録したと報告されています。実機テストでは、わずか50件のデモデータで精密タスクの成功率70%を達成したとしています。論文とコードはそれぞれarXiv・GitHubで公開されています。
地図・ナビゲーション企業として知られる高徳地図が、ロボット操作モデルの研究開発で存在感を示した点が注目されます。Google・NVIDIAといった既存の大手研究機関のモデルを上回る数値を、査読前ながら公開ベンチマークで示したことは、フィジカルAI(ロボット操作AI)の開発競争が、従来のロボティクス企業以外にも広がっていることを象徴しています。
「世界モデル」とは、ロボットが自分の行動が周囲の世界にどう影響するかを予測するAIのことです。ロボットが物を持ち上げたり運んだりする際、「次にどうなるか」を頭の中でシミュレーションしながら動けるようにする技術と考えると分かりやすいでしょう。ベンチマーク(RoboCasa365・LIBEROなど)は、複数の研究機関のモデルを同じ条件で比較するための共通テストです。
今すぐ製品化されるものではありませんが、地図データや位置情報の蓄積を持つ企業がロボット制御AIの研究に進出する動きは、今後他の異業種企業(自動車・EC等)にも広がる可能性があります。研究段階のため、実機での安定性・汎用性は今後の検証が必要です。
高徳地図が発表したABot-M0.5は、既存モデルを上回るベンチマーク成績を示した移動ロボット操作向けモデルです。地図企業によるフィジカルAI研究参入という点で、業界の裾野の広がりを示す事例といえます。